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第24回 2007年花葉会サマーセミナー
ここまで来てる…市場の“企画”というものの実態
―静かに進む市場改革を学べ―

生産者にとって「作るだけでは売れない時代」・・・ それは市場にとって「荷受するだけでは売れない時代」でもある。墜ちた価格形成機能を奪回すべく・・・ ここにきて花市場は実に多様な手を打ってきた。暗中模索の感はあるが、その多くは
 ・・・ 企画 ・・・
という新たな価値観に基づく、という点で共通である。

 物流・商流・情報流の交差点・・・ 花産業の要(かなめ)・・・ と、花市場は自身をこう評す。しかし残念ながら、生産者にとって、市場から先は、今も昔も見えにくい。花産業の出口、小売の現場で何が起こっているのか、生産者は正確に掌握し、そしてしっかり呼応すべきである。
今回の花葉サマーセミナーは、変貌しつつある、知られざる市場の動態に焦点を合わせる。
先進市場は新たな仕組みの構築をめざし、様々な『企画』を実行に移し、移そうとしている。その内容は様々で、マーケティング、ロジスティック・サービス、インターネット、商品開発などのキーワードが見え隠れする。どの『企画』も明るい未来を描き出す。しかし、意識しなければならないことは、『企画』が単なる計画でなく、『企て=強い意志』の上に生まれる『計画』であることだ。その強い意志を理解し、共闘する強い心が求められているのだ。
 今回は主要先進市場の代表に登壇いただき、生産者や小売業者等々、市場にとっての顧客に対してどのような『企画』を提言しようとしているのか、お話しを頂く。市場が実行しようとする『企画』を評価し、その中でどのような役割を担えるか、自身で判断してほしい。
もっとも、ここで『企画』と呼ぶべきものの長い歴史は欧米にある。その達人=デンマーク、と花葉会は読む。商流を簡素に、物流を高度に、そして情報流こそ的確に・・・海・寒冷・低日照・・・まして消費地からの遠隔・・・あらゆるハンディを乗り越えて、南欧にまで鉢物を届ける北国の秘密をGASA Odenseの前理事長=Andersen氏に学ぶことにしよう。そこに花業界の近い将来が見えてくるだろう。生産者だけでなく、地域の指導層、小売業者、流通業者など、その立場を超えて、日本の花産業の明日を考える機会となるはずである。ぜひ、多数の参加を頂きたい。

7月7日(土)

日本歯科大学本館8階 富士見ホール (9:30から受付開始)

10:10~10:30市場の動態の見方「企画」というものの実態
花葉会会長
千葉大学園芸学部
安藤 敏夫
10:30~11:45新経営陣が語る・・・企画部、物流部、そしてグループ企業の連携に明日を託す
豊明花き(株) 福永 哲也
11:45~12:45昼 食
12:45~14:00 業界スタンダードを生み続ける市場の底力とは
(株)フラワーオークションジャパン  佐無田 仁
14:10~15:25新次元の産地市場-物流サービスを「商品」に業績を伸ばす-
鴻巣花き(株) 吉井 恵介
15:40~16:55配送物流に学んだこと・・・切花の経験を次の一歩に
(株)オークネット 永島 久直
17:00~17:40総合討論
18:00~20:00懇親会

7月8日(日)

日本歯科大学本館8階 富士見ホール

9:20~11:30ヨーロッパを席巻する北国デンマークの鉢物園芸-その戦略と企画-
GASA Odense、Thoruplund、Living Colours Jorgen Andersen
11:30~12:20昼 食
12:20~13:35大消費地 関西市場で考える―市場流通の反省と近未来志向―
兵庫県生花(株)大阪営業所 大阪植物取引所 藤原 孝
13:45~15:00トップ企業を支えるマーケッティング力・・・その新たな展開
(株)大田花き 安藤 健二
15:05~15:35総合討論

講師のプロフィール

福永 哲也(ふくなが てつや)
豊明花き株式会社 常務取締役

 1962年生まれ。1984年千葉大学園芸学部卒業後、日本観葉植物(株)入社。1996年愛知豊明花き地方卸売市場開場に伴い、豊明花き(株)へ。経営企画室、情報取引や量販店営業等を担当。2005年トヨアケアグリ(株)取締役。2006年JFIロイヤリティ(株)代表取締役。2007年豊明花き㈱常務取締役営業本部長。入社以来、卸売市場の立場で様々な分野を担当。その経験を市場逆境の時代にどう生かすかが問われている。

佐無田 仁(さむた まさし)
株式会社フラワーオークションジャパン 取締役切花営業センターマネージャー

 1962年熊本県人吉市生まれ。1985年東京農業大学を卒業し、日本観葉植物(株)(東京支社)に入社。1990年、(株)フラワーオークションジャパン(東京都大田市場開場時に統合入場)。2004年、同社取締役。FAJでは、切花営業センターのマネージャーとして、“花き流通の総合プロデュース”を目指し、常に新たな提案を続けている。特にバケット流通には積極的に取り組み、ELFバケットシステムのしくみを開発、いち早くFAJに導入した。また、花き業界全体のレベルアップにも力を注ぎ、日本ELFシステム協会の理事として、ELFバケットシステムの普及活動に従事している。

吉井 恵介(よしい けいすけ)
鴻巣花き株式会社 量販部 課長代理

 1972年生まれ。埼玉県出身1994年東京農業大学農学部農学科卒業後、(株)鴻巣園芸センター入社。2002年市場合併に伴い鴻巣花き(株)に入社。愛知県の産地担当から2005年量販部に配属され、物流サービスの向上に取り組む。

永島 久直(ながしま ひさなお)
株式会社オークネット 専務取締役

 1955年生まれ。中央大学商学部卒。1985年(株)オークネット創業年度、同社に入社。通信衛星による中古車オークション事業の営業に従事した後、1997年より花き事業の立ち上げに携わる。2000年、一旦花き事業部を離れるも、2006年11月、鉢物オークションの開始に伴い担当役員(兼務)として同事業部に復帰。10年に及ぶ切花オークションの事業モデルを基に、ネット取引の必須要件=「配送物流」をテーマに鉢物オークションの方針及び今後のネット取引の方向性を模索する。【中古車検査会社(株)オートモビル・インスペクション・システム(AIS)代表取締役現任】

Jorgen Andersen (ヨーン・アナソン)
GASA Odense 前理事長、Thoruplund 社長、Living Colours代表

 1947年生まれ。1974年よりThoruplundナーセリー社長、現在に至る。1988年より大手流通会社であるGASAグループ役員に選出、2004年~2006年までGASAグループの理事長を務める。さらに、7生産者の提携によるマーケティング戦略組織であるLiving Coloursブランドの立ち上げに1999年からかかわり、2007年からは代表も務める。ヨーロッパでの熾烈な競争を勝ち抜き、なお躍進するデンマークの花卉園芸を引っ張る仕掛け人。

藤原 孝(ふじわら たかし)
兵庫県生花株式会社大阪営業所 大阪植物取引所 専務取締役

 1944年兵庫県生まれ。1962年三田学園高等学校卒業後、兵庫県生花(株)梅田生花市場に入社。1970年大阪植物取引所に配属。大消費地関西市場で生産・消費量の倍増時代に手セリ競売を続け、花き産業の全盛期を過ごしたが、最近10年間は流通の鈍化・停滞と戦いながらも精力的に営業を続ける。関西市場での新たな展開についてお話いただく。

安藤 健二(あんどう けんじ)
株式会社大田花き 執行役常務/営業本部長

 1957年生まれ。名古屋出身。1980年(株)西武百貨店に入社し、商品管理、営業分析、経営管理、営業統括、店舗運営業務を担当。1996年に(株)大田花きに入社。商品研修の後、専門店チームリーダー、営業副本部長を担当し、2003年取締役営業本部長となり、2006年執行役常務に就任。16年間の百貨店時代に学んだマーケティング手法と経営学をベースに花き業界の発展に向けて手腕を発揮する。

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