第29回 2014年花葉会サマーセミナー
新たな風を読め!~花産業の潮目が変わる今こそチャンス~
6年後に夏季東京オリンピックが開催される。景気は緩やかではあるが回復傾向にある。そしてついに業界の悲願でもあった花き振興法が成立した。花産業に新たな時代の幕開けを感じさせる大きな風が吹き始めた!我々は何としてもこの追い風を逃す訳にはいかない。時代が大きく変わろうとしている今こそ、その方向性を的確に見極める必要があるだろう。
今回ご登壇いただく講師の先生方は、それぞれの分野において、静かにその時代の変化に対する嗅覚を研ぎ澄まし、情報を分析し、その準備を怠らず、粛々と時には無意識にその技術力を高めてきた花産業の新たな流れを指す方々である。最初は弱く小さな流れだった動きが、今では大きなうねりとなって花産業の本流となり、新たな時代や文化を創造し、常識をも覆そうとしている。
このたびのセミナーは、新たな植物素材の活用の場として注目を集めている壁面緑化に関するテーマを中心に、それぞれの分野で実績のある講師陣にご登場いただいた。また、寡占状態となった野菜苗生産からその要因を探りつつ、新たなビジネスの可能性を考える。さらに、新たな試みとして、シクラメンの品質向上が著しい邑楽郡館林シクラメン生産者の若手の皆様にご登壇頂き、その背景についてパネルディスカッション形式でお話をして頂く。 皆様のご参加をお待ちいたします。
9月6日(土)
千葉大学けやき会館 (10:20から受付開始)
10:50~11:00 | オープニング 花葉会会長 千葉大学大学院園芸学研究科 教授 三吉 一光 |
11:00~12:00 | 時代の流れを読んだ育種戦略 岐阜大学応用生物科学部 教授 福井 博一 |
12:00~12:50 | 昼 食 |
12:50~13:50 |
多様化する壁面緑化~そのシステムを総括する~ 大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 教授 山田 宏之 |
13:50~14:50 | オーソリティが語る壁面緑化のトレンド 有限会社緑花技研 代表取締役 藤田 茂 |
15:05~16:30 | 猛暑の館林でシクラメン品質ナンバーワンを目指して~第二世代によるユニークな活動~ 邑楽郡館林シクラメン生産者 峯崎 宏之・折原 孝昌・野本 寿久・小久保 智広・石川 英司 |
16:45~17:15 | 質疑応答 |
17:45~20:00 | 懇親会 |
9月7日(日)
千葉大学けやき会館 (9:30開場)
10:00~11:00 | 今、屋内に拡がる壁面の花とみどり 株式会社伊藤商事 代表取締役 伊藤 孝巳 |
11:00~12:00 | 野菜苗供給の構造改革に学ぶ 有限会社徳島シードリング 代表取締役 延谷 磨 |
12:00~12:50 | 昼 食 |
12:50~13:50 | 花き振興法でどう変わる?~その内容と活用術~ 一般財団法人日本花普及センター 専務理事 西岸 芳雄 |
13:50~14:20 | 総合討論 |
14:20~14:50 | まとめ 花葉会幹事長 株式会社FAJ 取締役 長岡 求 |
講師のプロフィール
福井 博一(ふくい ひろかず)岐阜大学応用生物科学部 教授
岐阜大学農学研究科修了後、北海道大学大学院を経て、岐阜大学農学部教官となり、1996年より現職。生産現場の視点からの研究課題をとりあげ、生産者と一体となって花産業を盛り上げていくことを目標とする。花き産業全体の発展に向け、マーケティング、環境問題などから数々の提言を行うとともに国際的な視点からの生産者のあるべき指針を示す。今回は育成品種スパティフィラム「フェアリーウィング」を始めとした倍数性を利用した新品種育成について語っていただく。
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 教授
1992年千葉大学大学院自然科学研究科修了、博士(学術)。財団法人都市緑化技術開発機構、和歌山大学システム工学部を経て現職。専門は都市気象、都市緑化技術で、都市における屋上緑化を含む特殊空間緑化による気象緩和効果に関する研究の第一人者。国土交通省、先導的都市形成促進事業に係るアドバイサリー委員。著書に「屋上緑化のすべてがわかる本」、「都市緑化の最新技術と動向」他、多数。
有限会社緑花技研 代表取締役
1947年東京都足立区生まれ。1969年東京農業大学農学部造園学科卒業。1969年曽田香料株式会社に入社。1971年現 株式会社日比谷アメニスに入社 現顧問。1992年株式会社エコル設立と同時に取締役・現顧問。2002年有限会社緑花技研代表取締役 現在に至る。
官公庁等への都市緑化に関する助言、屋上庭園などの調査・設計・施工を数多く手がける傍ら、国内外での屋上緑化技術の普及活動にも精力的に取り組む。「日本一くわしい屋上・壁面緑化」など都市緑化に関する著書を多数執筆。屋上緑化・壁面緑化の普及・振興に尽力した仕掛け人のひとり。
峯崎 宏之(みねざき ひろゆき):有限会社峯崎園芸
1972年群馬県明和町出身。1993年群馬県立農林大学校卒業。同年、株式会社鴻巣園芸センター(現 鴻巣花き株式会社)へ研修生として入社。2年の研修を終了後、1995年から就農。地域のリーダー的存在。
1977年生まれ。群馬県出身。専修大学経済学部卒。脱サラし2008年に有限会社峯崎園芸にて1年間研修後就農。
シクラメンとカーネーションを栽培。さらなる品質の向上を目指し日々の仕事に取り組んでいる。
1979年生まれ。群馬県明和町出身。1998年群馬県立館林高等学校卒業。2000年千葉大学園芸学部園芸別科修了。
2000年から2年間、国際農業者交流協会の海外研修で渡米。2002年帰国後就農。花葉会幹事。
地域の気候条件に合った高品質で栽培性の高いシクラメン品種の育成にも取り組む。
1980年生まれ。2000年東京農業大学短期大学部生物生産技術学科卒。その後2年間森田洋蘭園で研修後に就農。
シクラメンとカーネーションを生産、就農12年目をむかえた3代目として奮闘中。
1979年生まれ。1998年関東学園大学付属高校卒。2001年2年間株式会社フラワーオークションジャパンにて研修。2003年埼玉県久保花園にて1年間研修。2004年就農。シクラメン、カーネーション、ランタナの生産に懸命に取り組む。
株式会社伊藤商事 代表取締役
1941年愛知県生まれ。25~29歳頃 当時の西ドイツの生産農場に勤務。帰国後会社設立。後 大阪花博にむけ 立体花壇システム、スリット式ハンギングバスケット等を開発し、国内外の大型イベントの立体装飾を担当。近年開発の屋内用壁面緑化システムは世界から注目されている。
有限会社徳島シードリング 代表取締役
1976年徳島県生まれ。千葉大学園芸学部・同大学院修士課程修了後、野菜苗生産業者である有限会社竹内園芸に入社。2003年同グループから人工光閉鎖型育苗に特化した「有限会社徳島シードリング」を設立。トマト、キュウリ等果菜類の接ぎ木苗を中心に現在、年間約100万本を生産販売。
一般財団法人日本花普及センター 専務理事
1947年生まれ。東京教育大学農学部卒業後、1971年農林水産省に入省。農蚕園芸局果樹花き課花き対策室長、中国四国農政局計画部長、構造改善局計画部資源課長などを歴任後、2001年に退官。同年より日本花普及センター専務理事、2010年より事務局長。花育活動の普及をはじめ、花き業界の振興を常に考え、アドバイスを送る。