2018年花葉会 セミナー&懇親会&見学会
さいたまの花き園芸の未来を支える若もの
主催:一般社団法人花葉会本年は花きの一大産地である埼玉県、特に県南部の産地見学会とセミナーを企画しました。
セミナーでは埼玉県の花き生産の現状を理解し、さらに時代をリードする若手生産者とガーデンセンターの取り組みを学びます。思うように売れない時代に後継者たちは規模を拡大しつつも売れ筋を確実に押さえ、小売りでは様々な努力と工夫を凝らし顧客のニーズを確実に掴んでいます。
彼らが何を感じ、何を目指しているのか、そのお考えをお話し頂きます。翌日はご登壇頂いた方々の現場を視察し、加えて時代の最先端を行く花き加工物流企業を訪問します。
皆さまのご参加をお待ちしております。
6月28日(木) セミナー
さいたま新都心合同庁舎1号館1階多目的室1・2 (12:30から受付開始)
埼玉県さいたま市中央区新都心1-112:30~13:00 | 受 付 |
13:00~13:20 | 開会挨拶 花葉会副会長・理事 國分 尚 関東地域花き普及振興協議会会長 吉田 誠 |
13:20~14:00 | 「埼玉県の花植木生産について」 埼玉県農業技術研究センター 農業革新支援担当 担当部長 篠崎 誠 |
14:00~14:40 |
「魅力的なお店づくり」 有限会社 サニベルグリーンハウス 間室みどり |
14:40~14:50 | 休憩(10分) |
14:50~15:30 | 「育種をしない花作り 35年 地域伝統農法を継承する(株)ヤマシタフラワーズの挑戦」 株式会社 山下フラワーズ 山下圭亮 |
15:30~16:10 | 「山上げを活用した各種鉢花のローテーション生産を経営の柱に」 有限会社吉田園芸 専務取締役 吉田善幸 |
16:10~16:30 | 総括・閉会挨拶 花葉会理事長・代表理事 FAJ取締役 長岡 求 |
17:00~19:00 | 懇親会 セラフィーナニューヨーク さいたま新都心店 埼玉県さいたま市中央区新都心10 けやきひろば Tel:050-5212-7576 |
6月29日(金) 見学会
さいたま新都心駅 西口 NTTドコモ埼玉ビル前 9:30出発
09:00~09:30 | 受 付 |
09:30出発 | さいたま新都心駅出発(バス移動) |
10:30~11:45 | (株)ヤマシタフラワーズ 見学 |
11:45~12:50 | 移動・昼食・トイレ休憩(道の駅いちごの里よしみ) |
12:50~13:50 | (有)サニベルグリーンハウス 見学 |
13:50~14:10 | 移動 |
14:10~15:10 | (有)吉田園芸 |
15:10~15:20 | 移動 |
15:20~16:20 | (株)フラワーロジテム鴻巣 広田農場 見学 |
16:20~ | 移動 |
16:35着 | JR鴻巣駅着(解散) |
17:35着 | JRさいたま新都心駅着(解散) |
講師のプロフィール
間室 みどり(まむろ みどり)有限会社 サニベルグリーンハウス
- 1974年生まれ
- 1992年東京農業大学 農学部卒
- 卒業後、花のマーケティング会社2年勤務。その後2000-2004年までデンマークにて、北欧のガーデニング、室内園芸にふれつつ、花関係業務に携わる。
- 帰国後、カラーコーディネート・パーソナルカラーを学び、スクールの認定講師として、企業向け講座、「花とインテリア」などを担当するなど、カラリスト業務にも携わる。
- 現在 家業である「ガーデンセンターさにべる」マネージャー。商品である花・植物や生花の仕入れを担当する。
- 寄せ植えやハンギングバスケットの教室では色彩の視点からの指導も行っている。
- 現在はNHK趣味の園芸講師として、メディアの出演や監修・執筆なども並行して情報発信をしている。
- ハンギングバスケット展 多数受賞
- 園芸家 NHK趣味の園芸講師/ハンギングバスケットマスター/グリーンアドバイザー 家庭園芸普及協会認定/カラリスト(カラーコーディネーター)
山下 圭亮(やました けいすけ)
株式会社 ヤマシタフラワーズ
- 1990年生まれ
- 2013年明治大学 農学部卒
- コロラド州Tagawa Greenhouse Enterprises, LLCにて一年間研修 https://www.incolorme.com/
- 2014年(株)ヤマシタフラワーズ法人化に伴い入社。
- 花壇苗を中心に50アイテム以上を生産。
吉田 善幸(よしだ よしゆき)
有限会社 吉田園芸 専務取締役
- 1977年生まれ
- 2001年明治大学 理工学部卒
- ネットワークセキュリティの会社に就職後、2005年に実家の(有)吉田園芸に入社
- 花壇苗を中心に年間200万鉢、40アイテム以上を生産
- 秋冬の品目は山上げ栽培(日光戦場ヶ原)を利用している。
見学先の見どころ
(株)ヤマシタフラワーズ現社長が築き上げたヤマシタブランドの軌跡をたどる。安定供給、高品質、大量生産というすべてのベクトルに全力を注ぎ、体現する現社長の生産ノウハウを、若き二代目の圭亮氏が顔を真っ黒に日焼けしながら継承しようと奮闘している。そんな二代目が何にこだわり何を想うのか。見据える先にあるものをのぞいてみたい。
(有)サニベルグリーンハウス
ポインセチアの生産に始まり、卸し、直売から今の専門店への変遷は、時代とともに進化している。決して良いとは言えない立地に、客が求めるものがあるからこそ足を運ぶ人が多い。教室の開催からテレビ出演、オリジナルのプランター制作や培養土の設計と、多彩なバラエティーは川上から川下にわたって培った経験がハウスの中に詰まっている。淘汰の時代に生き残る術をもつ者の嗅覚を感じてみたい。
(有)吉田園芸
先々代から花壇苗などを生産し、父親の代になった昭和50年に会社化。
私が就職したのは平成17年(2005年)。現在、弟の憲司を加えた親子3名を中心に社員5名、パート20名ほどで約3,500坪の施設と露地約1haで生産する。ほか、日光市戦場ヶ原(7~10月)と軽井沢(8~11月)に山上げ地を確保して利用する。
山上げ生産には積極的に取り組み、今も売り上げの3割は山上げによる。
周年生産するカランコエ を中心に、レウシア、ハナカンザシ、アネモネなどでローテーションを組む。
(株)フラワーロジテム鴻巣
2005年9月設立。鴻巣フラワーセンター内に本社を置き、鉢物類の値付け、加工、仕分けなどを行い、鴻巣花き株式会社や株式会社鴻巣植物とともに鉢物の物流配送を請け負う。ギフトや量販店需要に向けて様ざまな提案、営業を行う。昨今は中国、泰、越南などから資材を直接仕入れし、寄せ鉢を制作・供給するなど高付加価値サービスの比重を高めている。今回は広田農場を視察する予定。
セミナー&見学会 報告
60名近くの方々がご参加下さいました。売れ筋を確実に抑え、顧客のニーズをつかんでいる若もの(後継者)に、ご講演・見学対応を頂くことで、参加者の皆様には、「想い(講演)」と「もの(現地見学)」の両方から、学びを得ることのできる会になったと感じております。
来年も「花葉会セミナー(もしくは見学会&交流会)」を開催する予定です。
皆様のご参加をお待ちしております。
開会挨拶および講演
一日目のセミナーは國分 尚 千葉大学准教授より挨拶があったのち共催である関東地域花き普及振興協議会・会長 吉田 誠 氏に、埼玉県内の現状について簡単にお話し頂きました。
次に埼玉県を代表して、埼玉県農業技術研究センター 農業革新支援担当 担当部長 篠崎 誠 氏に「埼玉県の花植木生産について」というタイトルでご講演頂きました。
(有)サニベルグリーンハウス 間宮 みどり 氏
「魅力的なお店づくり」について、ご講演・見学会のご対応を頂きました。
小売り・園芸教室・生産を行っており、店舗スタッフは女性のみで、自分たちのアイデアを自分たちの手で具現化(装飾)しており、スタッフの教育にも力を入れているそうです。
(株)ヤマシタフラワーズ 山下 圭亮 氏
関東でも指折りの花壇苗生産者です。雑木林に囲まれた立地を活かし、生産・運搬に効率的な生産圃場の整備が行われていました。
生産する植物はもちろんのこと、生産の基盤となる人材・資材・施設に、向き合い、対応することが、今日のヤマシタフラワーズを支える若き力なのかもしれません。
(有)吉田園芸 吉田 善幸 氏
カランコエの周年生産を軸に、レウィシア、キク、ローダンセマムなどの生産や、山上げ栽培も行っております。
山上げで差別化できる品目を的確に把握し、生産していくことが重要であるとのお考えでした。
(株)フラワーロジテム鴻巣 吉井 恵介 氏
鴻巣フラワーセンター内に本社を置き、鉢物類の値付け・加工・仕分け・配送等を行っている企業です。
「顔の見える生産者」や「○○園芸の花壇苗」など、生産者のブランド力が重要視させる昨今ですが、「従来とは異なるやり方で、互いに商品力を高める努力をする」という言葉には説得力と覚悟を感じました。