2022 花葉会オンラインセミナー
青いコチョウランの初花から10年を経て発売開始 ~遺伝子組み換え技術により作出~
主催:一般社団法人花葉会
2012年、遺伝子組み換えにより従来存在しなかった青色の花色をもつ品種の作出に世界初で成功した。成果は千葉大学細胞工学研究グループの三位正洋教授と石原産業の研究グループによって4年の歳月をかけて植物体を作り出し、初花が開花したと報じられてから10年、ようやく発売されることになった。
この開発秘話と今後の販売展開に関しての内容を三位名誉教授と石原産業生物化学研究室の湯木氏、バイオサイエンス事業本部の毛塚氏にお話しをいただきます。
2022年7月1日(金) 17:30~19:00 Zoomウェビナーによるオンライン開催
セミナー概要
第一部 三位正洋先生 千葉大学 名誉教授
「遺伝子組換えによる青色コチョウラン、ダリアなどの作出」
石原産業から提供を受けたツユクサ由来の青色遺伝子を用いて、コチョウラン、ダリア、デンドロビウムなどに導入し、青から紫系統の花色を持つ遺伝子組換え植物を育成した。
ダリアとコチョウランでは他の花色を持つ個体との交配によって多様な青系統の花色をもつ個体も作出できた。
第二部 石原産業(株)湯木俊次(生物科学研究室シニアマネージャー)・毛塚智昭(バイオサイエンス事業本部上席マネージャー)
「世界初青色コチョウラン「Blue Gene」の研究開発経緯、商品紹介及び今後の予定」
これまでにない青いコチョウランの品種を創りたい」と15年以上にわたって研究開発を続け、石原産業の情熱とバイオ技術の結晶として、ついに商業化に至った青色コチョウランBlue Gene。
研究開発の経緯、商品の基本情報に加えて、販売方針や今後の予定についてご紹介します。
第三部 質疑応答
講師のプロフィール
三位 正洋
- 1947年 東京生まれ(74歳)
- 千葉大学園芸学部を卒業後、名古屋大学大学院農学研究科で博士課程を修了し、名古屋大学農学部助手を経て1979年に千葉大学園芸学部(現在は大学院園芸学研究科)講師として異動。1984年に助教授、1991年に教授となり、2013年3月定年退職。この間、カナダで2年、オランダで半年間の在外研究。現在は名誉教授およびグランドフェロー。退職後は千葉大の環境健康フィールド科学センターで特任研究員、特命研究員となり現在に至る。
- 専門は植物細胞工学、植物育種学で、組織培養や遺伝子組換えなどの植物バイオテクノロジーの諸技術を品種改良に応用するための研究を行っている。
- 2002年8月に日本植物細胞分子生物学会学術賞、2013年3月に日本育種学会賞、2017年2月に松下幸之助花の万博記念賞を受賞。
湯木 俊次
石原産業株式会社 中央研究所 生物科学研究室 シニアマネージャー
- 1958年 広島県生まれ
- 1983年 広島大学理学部化学科 博士課程前期修了。博士(農学)
- 1983年、石原産業株式会社に入社後、2年間、九州大学医学部へ出向し、遺伝子組換え技術を習得。帰還後は、社内において遺伝子組換え技術を利用した新商品の開発を目指す。1999年からは、遺伝子組換えによる植物育種に携わる。2004~2008年には、千葉大学 三位教授との共同研究により、遺伝子組換え花き育種を実施。その後、一時中断したものの、2012年に再開し、以来、Blue Geneの研究開発に従事している。
毛塚 智昭
石原産業株式会社 バイオサイエンス事業本部 青色花卉開発営業
- 栃木県生まれ
- 宇都宮大学農学部農芸科卒
- 大学卒業後、石原株式会社に入社。入社後、主にバイオサイエンス事業本部に所属し、当社農薬製品の国内外の除草剤製品の開発を担当する。
- その後、米州全域での開発、マーケティング業務を担当した後、2016年から米国関連会社に出向し、米州諸国での新規マーケット開拓、及び新規製品の商業化のためのプロジェクトマネジメントの総括責任者として4年間勤務する。
- 2020年に日本帰国後、青色花卉事業推進のために設立されたバイオサイエンス事業本部青色花卉開発営業に配属され、以来、Blue Geneの開発、商業化を担当する。